夏になると、「夕方になると足がパンパンにむくむ」「だるくて靴がきつくなる」といった不調を訴える人が増えます。特に女性や立ち仕事の方にはよく見られる症状ですが、実はこれは一時的な疲れではなく、体の中で起きている循環の乱れが原因です。
目次
■ 夏にむくみが起こりやすいのは本当?
はい、実際に夏はむくみの症状が強まりやすい季節であることが、国内外の統計データでも明らかになっています。
たとえば、慢性静脈不全の患者1,683人を対象にしたヨーロッパの調査では、約56.6%が「夏にむくみが悪化する」と回答し、特に女性ではその割合が62.7%にのぼりました(PubMed 2023)。また、Googleトレンドを使った米国の研究では、”ankle swelling(足首のむくみ)”の検索件数が夏季に最も多くなる傾向が報告されており、季節変動の86%が夏に集中していたとされています。
日本でも、6月の梅雨の時期から夏にかけて、脚のむくみを感じる人が増えるという調査結果があります。ニチバン株式会社の調査(2020年)によれば、62%の女性が「6月が一番むくみやすい」と回答し、80%が仕事中にむくみを感じていると述べています。
こうしたデータからも、夏は気温や湿度、生活環境によってむくみが起こりやすくなる季節であることが裏付けられています。
■ なぜ夏はむくみやすいの?
その理由は主に以下の4つです。
① 血管の拡張
暑さで血管が広がり、血液やリンパ液が末端(足)に滞りやすくなります。特に立ち仕事や座りっぱなしの人は、重力の影響で下肢に水分がたまりやすくなります。
② エアコンによる冷え
室内が冷えて足が冷たくなると、血流が悪くなり、むくみやすくなります。また、冷房による寒暖差で自律神経が乱れ、体温調節もうまくいかなくなります。
③ 水分と塩分のバランスの崩れ
熱中症対策で水分を多く摂る一方で、塩分の多いスポーツドリンクや加工食品を取りがちです。これにより体が水分をため込もうとして、むくみが起こります。
④ 自律神経の乱れ
台風や低気圧、寒暖差などにより交感神経が優位になり、血流やリンパの循環が悪化。ホルモンバランスの乱れと重なると、さらにむくみやすくなります。
■ 夏のむくみを防ぐ・改善するには?
では、夏のむくみにどう対処すれば良いのでしょうか?以下にすぐ実践できる対策をご紹介します。
🧘♀️1. ふくらはぎを動かす
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、全身の血流に関わる重要な筋肉です。つま先立ち運動やかかと上げ、足首回しなど、簡単な動きをこまめに取り入れましょう。
🛁2. 湯船につかる・足湯をする
シャワーだけでなく、38〜40℃のお湯に15分程度つかることで血流が改善され、むくみの解消に効果的です。冷房で冷えた体にも◎。
💧3. 水分補給と塩分バランスを意識する
冷たい飲み物ばかりでなく、常温の水や麦茶などでこまめに水分補給を。塩分の摂りすぎにも注意し、カリウムを含む野菜や果物(きゅうり、バナナ、スイカなど)を積極的に摂ると良いでしょう。
🧦4. 圧迫ソックスや足枕を使う
弾性ストッキングや足を少し高くして寝る工夫は、重力による水分の停滞を防ぎ、朝のむくみ軽減に役立ちます。
🌀5. エアコンの風を直接当てない
エアコンは温度だけでなく“風”も大敵です。冷風が直接足に当たらないように調整し、ひざ掛けやレッグウォーマーで冷え対策を行いましょう。
■ まとめ
夏は暑さによる血管の拡張、冷房による冷え、気圧変動などが重なり、足のむくみが起こりやすい季節です。統計的にも多くの人が「夏にむくみを感じている」と答えており、放っておくと疲労感やだるさ、集中力の低下にもつながります。
「ちょっとしたむくみだから…」と見過ごさず、日常の中でできる対策を習慣にすることで、体も心もぐっと楽になります。夏のむくみと上手に付き合って、快適に過ごしていきましょう!
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