耳鼻科で「異常なし」と言われたのに耳鳴りが続く方へ|整体師が考える身体からの見方

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「耳鳴りが気になって耳鼻科を受診したけれど、大きな異常はないと言われた」

「薬を飲んでいるけれど、なかなか耳鳴りが気にならなくならない」

「静かな場所や寝る前になると、キーンという音が気になってしまう」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。

私は病院で約15年間、理学療法士として身体のリハビリテーションに携わり、現在は整体の現場でさまざまな身体の悩みを抱える方をみています。

その経験から感じているのが、

耳鳴りがあるからといって、耳だけを見るのではなく、身体全体の状態にも目を向けてみることが大切

ということです。

もちろん、これは「身体の歪みが耳鳴りの原因」という意味ではありません。

耳鳴りにはさまざまな原因が考えられるため、まずは耳鼻咽喉科などの医療機関で適切な検査を受けることが大切です。

そのうえで大きな異常が見つからず、耳鳴りが続いている場合には、

「身体全体では何が起きているのだろう?」

という視点を持ってみてもいいのではないかと考えています。

目次

耳鳴りは「耳だけ」の問題とは限らない

耳鳴りというと、当然「耳に何か問題があるのでは?」と考えます。

実際、難聴など耳の問題に伴って耳鳴りが生じることがあります。

だからこそ、最初に耳鼻咽喉科で耳の状態を確認してもらうことが重要です。

一方、私が身体を見るときに注目するのは耳だけではありません。

例えば、

・呼吸が浅くなっていないか
・胸郭が硬くなっていないか
・背骨が動いているか
・首に負担が集中していないか
・頭が前に出た姿勢になっていないか
・肩甲骨が十分に動いているか

などを確認します。

身体はそれぞれの部位が独立しているわけではありません。

骨盤、背骨、胸郭、肩甲骨、首、頭。

それぞれがお互いに影響しながら姿勢や動きを作っています。

そのため私は、耳鳴りの相談であっても身体全体を確認するようにしています。

① 最初に確認したい「呼吸」と横隔膜

私が身体を見るとき、まず重要だと考えている場所のひとつが横隔膜です。

横隔膜は呼吸に大きく関係する筋肉です。

ストレスが強かったり、身体が緊張した状態が続いたりすると、呼吸が浅くなっている方がいます。

実際に身体を確認すると、

「胸だけで呼吸している」

「お腹がほとんど動いていない」

「みぞおち周辺が硬い」

と感じるケースがあります。

ここで大切なのは、

「横隔膜が硬い=耳鳴りの原因」と決めつけないことです。

あくまでも、身体全体の緊張状態を見るためのひとつのポイントとして確認します。

② 胸郭出口周辺の硬さ

次に確認するのが、首から胸にかけての部分です。

特に鎖骨周辺や胸の上部が硬くなっている方は少なくありません。

デスクワークやスマートフォンを長時間使っていると、頭が前に出て肩が内側に入りやすくなります。

その姿勢が続けば、首や肩周辺の筋肉にも負担がかかります。

そのため、

首だけを揉むのではなく、

「胸は動いているか?」

「鎖骨周辺は硬くなっていないか?」

「肩甲骨は動いているか?」

というところまで確認します。

③ 骨盤周辺も確認する

「耳鳴りなのに骨盤?」

と思うかもしれません。

しかし、姿勢を考えるうえでは骨盤も無視できません。

骨盤の上には背骨があり、その上に頭があります。

土台となる骨盤周辺の動きが少なくなれば、その影響を身体の別の場所で補っていることがあります。

もちろん、

「骨盤のズレが耳鳴りを起こしている」

という単純な話ではありません。

身体全体のバランスを把握するために、骨盤や股関節周辺の状態についても確認するということです。

④ 肩甲骨周囲の動き

肩甲骨も確認しておきたい場所です。

肩甲骨周囲が硬くなると、肩だけではなく胸郭の動きにも影響します。

例えば猫背姿勢が続くと、

肩が前に出る
↓
肩甲骨周辺が動きにくくなる
↓
胸郭も動きにくくなる
↓
首周辺で姿勢を支える割合が増える

という状態になることがあります。

首の負担だけを考えるのではなく、

なぜ首に負担が集中しているのか?

まで考えることが大切です。

⑤ 胸椎がしっかり伸びるか

個人的に重要視しているのが、胸椎の伸展です。

胸椎とは、背骨のうち胸の高さにある部分です。

猫背姿勢が続くと胸椎が丸くなり、身体を起こす動きが少なくなることがあります。

すると正面を見るために、首を必要以上に反らせて姿勢を補う場合があります。

つまり、

首の問題に見えても、実際には胸椎の動きが関係している場合がある

ということです。

そのため首だけではなく、背骨全体がどのように動いているのかを確認します。

⑥ 下位頸椎の伸展と上位頸椎の屈曲

少し専門的な話になります。

頭が前に出た姿勢になると、首全体が単純に前へ曲がっているわけではありません。

下の方の首と上の方の首で、それぞれ異なる動きをして姿勢を補っていることがあります。

そのため、

「首が硬いからストレッチすればいい」

だけでは十分とは限りません。

どこが動いていて、

どこが動いていないのか。

これを確認することが重要です。

⑦ 最後に耳周囲・後頭部・頭頂部などを確認する

ここまで身体全体を確認したうえで、

・耳の周囲
・後頭部
・頭頂部
・側頭部
・前頭部

などの緊張状態も確認します。

顎を食いしばる癖がある方や、首・肩に力が入りやすい方では、頭部周辺にも強い緊張がみられる場合があります。

耳だけをピンポイントで見るのではなく、

身体全体を確認した最後に頭部周辺も見る。

私はこの順番を大切にしています。

大切なのは「どこが悪いか」ではなく身体全体を見ること

ここまで読んで、

「じゃあ私の耳鳴りは横隔膜が原因?」

「首を治せばいいの?」

と思った方もいるかもしれません。

しかし、私が一番伝えたいのはそこではありません。

人によって身体の状態は違います。

横隔膜が硬い人もいれば、

胸椎が動きにくい人もいます。

首に強い緊張がある人もいれば、

姿勢そのものには大きな問題がない人もいます。

だからこそ、

最初から原因をひとつに決めないこと。

これが大切だと考えています。

 

姿勢や呼吸などのセルフケアと合わせて、身体の内側(栄養面や東洋医学)から整えていきたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

👉 【耳鳴り・めまいに悩むあなたへ】整体師がすすめる“体の内側から整える漢方薬”という選択 

👉 【耳鳴り・めまいに】薬剤師が開発した“はちのこ800プラス”とは?

自宅でできることは?

まず意識してほしいのは、

「耳鳴りを消そう」

と耳ばかり気にし続けないことです。

耳鳴りが気になると、

「今鳴っているかな?」

「昨日より大きいかな?」

「この音は大丈夫かな?」

と何度も確認したくなることがあります。

しかし、そうすると意識がますます耳鳴りへ向きやすくなります。

そこで、

・軽く身体を動かす
・散歩する
・長時間同じ姿勢を避ける
・ゆっくり呼吸する時間を作る
・睡眠リズムを整える
・スマートフォンを見る時間を減らす

など、

耳鳴りそのものではなく、自分の身体や生活全体を整えること

に目を向けてみてください。

「異常なし」=あなたのつらさがない、ではない

検査で「大きな異常はありません」と言われても、

実際に耳鳴りが聞こえている本人にとってはつらいものです。

だからこそ、

「異常がないなら我慢するしかない」

と考える必要はありません。

一方で、

「この筋肉をほぐせば耳鳴りが治る」

「骨盤を整えれば耳鳴りが消える」

といった単純な情報にも注意が必要です。

耳鳴りは一人ひとり状況が異なります。

まず医療機関で必要な検査を受ける。

そのうえで、

睡眠、ストレス、運動、姿勢、呼吸、首や肩の状態など、

自分の身体と生活を広い視点から見直していく。

私はこの考え方が大切だと思っています。

まとめ

耳鳴りが続いていると、どうしても耳ばかりに意識が向いてしまいます。

しかし身体を見るときには、耳だけではなく、

横隔膜
↓
胸郭出口周辺
↓
骨盤周辺
↓
肩甲骨
↓
胸椎
↓
頸椎
↓
耳・頭部周辺

というように、身体全体を見ていく考え方があります。

これは、

「これらの部位を整えれば耳鳴りが治る」

という意味ではありません。

身体全体の状態を知り、自分の生活を見直すためのひとつの視点です。

耳鳴りは、原因が分からないこともあるからこそ不安になります。

だからこそ、

耳鳴りだけを追いかけるのではなく、自分の身体全体と生活に目を向けてみる。

この記事が、そのためのひとつのきっかけになれば幸いです。

※この記事は一般的な健康情報と、筆者が身体を見る際の考え方を紹介するものであり、診断や治療を目的としたものではありません。耳鳴り、急な聞こえにくさ、めまいなどがある場合は自己判断せず、耳鼻咽喉科などの医療機関へご相談ください。

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